【小説】 第21話 バーの外の暗闇で

頬を切り裂いたような黒い男は、いつの間にか立ち去っていった。 ボリスはぐでんぐでんに酔っ払い、地元の他の客と飲み始めた。 酒の強くないベンはバーの外へ先に出てきた。 中庭のようになった店先は暗く、バーから漏れる灯りでやっと人の顔が見分けられるくらいだ。 水のない小さな噴水の台に、ベンは腰掛けて空を仰いだ。 えらいこ…

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【小説】 第20話 フォックスは守られていた

ボリスの話は白熱していった。 「国連の連中… 特にフランス人は、フォックスの逮捕には関心ゼロだ。 なぜかって?彼らは本当に見て見ぬふりをするんだ。 こんなことがあった。 ボスニアの要人をサラエボ空港にエスコートする際、セルビア軍のチェックポイントにひっかかって脳天をピストルでぶち抜かれたんだ。 完全武装…

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【小説】 第19話 プロの出番

国連のブルーのベレー帽を脱いだボリスが3人を誘ったのは、農村の民家のようなバーだった。 緑に塗られた壁、チェックのテーブルクロス。 客はボリスとサイモンたちの他に一組の老人たちだけだ。 軍のジャンパーを羽織ったボリスは国連の男だと誰の目からも一目でわかる。 そのためか、客から離れた場所に席を取り、4人は声を潜めなければならな…

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