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zoom RSS 【小説】 第49話 消されたボリス

<<   作成日時 : 2008/04/14 07:22   >>

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チェットはサイモン・ハントを諭した。

「いいか。ミスター・カント」
「ハント、だ」

カント、は嫌な響きだ。
「cunt」につながる。
「オマン●野郎」とバカにされているように思えて、サイモンは顔を歪めた。

「ミスター・ハント。
よく聞け。
逮捕されて穴蔵に放り込まれなかっただけ、ありがたいと思え」
「逮捕理由はなんだ」
「CIA職員だと偽称した罪だ」
「バカ言うな。そんな偽称はしていない」

そういえば国連のボリスは最後まで自分たちをCIAだと思い込んでいた。
あのフォックスまでもが、そう言った。

チェットはそのボリスの名前を出してきた。

「君らの友達のボリスは、ウガンダに配置転換させられたよ。
誰も知らないアフリカの奥地で永遠に消息を絶つだろうけどね」

ごくり、とダックが唾を飲み込んだ。
ベンは眉をひそめ、かすかに首を振っていた。

「ボリスは出発前に君らの偽称の件を洗いざらい白状していったよ」

サイモンは遠い目をした。

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「そうか。わかったよ。だから俺たちはどうなるんだ?」

チェットは語気を強めた。

「今度問題を起こしたら、CIAがただじゃ済まさない。
おまえらはこの国の監獄にぶち込まれ、セルビアの巨根のバカ男にカマを掘られることになるだろう。
… たとえそうされても報道を続けるというなら、友達のボリスはアフリカでトラかライオンかリスか… アフリカ大陸にいる動物に食われて、この世から消える」

サイモンはその一言一句を胸に書き留めた。

「今のリスの話、記事に書くからな」
「聞け、カント」

サイモンはもう訂正するのもばかばかしくて黙った。

チェットは堂々と説明した。 



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※ブログ小説目次
第1話 サイモンとダック
第2話 ぶち切れたサイモン・ハント
第3話 ボスニア・ヘルツェゴビナへようこそ
第4話 ベン、ホリデー・インのバーにデビューする
第5話 落ちぶれた相棒
第6話 3人は揃った
第7話 「聞こう。ネタって?」
第8話 ムスリムのカフェで
第9話 盗み聞き
第10話 “生と共に死を授かった男”
第11話 出発
第12話 チェレビチの森で
第13話 セルビアの村はずれのカフェ
第14話 撃たれた3人の車
第15話 フォチャへ
第16話 警察のティータイム
第17話 チェレビチからの命令
第18話 国連の男・ボリスとの出会い
第19話 プロの出番
第20話 フォックスは守られていた
第21話 バーの外の暗闇で
第22話 危険へと続く道
第23話 マルダとウーナ
第24話 サイモンの恋
第25話 サイモンの恋A
第26話 最悪の別れ
第27話 チェレビチの見張り人
第28話 バーを探す
第29話 招かれざる客
第30話 命がけの問い
第31話 オレンジの車を追え
第32話 「ひざまずけ!」
第33話 クロアチアの小人
第34話 また現れた男
第35話 約束
第36話 天国から地獄へ
第37話 嘘
第38話 夜9時。ビシェグラード
第39話 マルヤナという女
第40話 CIAのルール
第41話 追っ手の影
第42話 誰も信用するな
第43話 荒らされていた部屋
第44話 サージャンの小屋
第45話 フォックス、あらわる
第46話 危機一髪の銃弾
第47話 CIAの男、チェット
第48話 極秘情報

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