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ダックとベンは運転席にいたサイモンが連れられていく様子を、まるで悪い夢を見ているかのように追っていた。 身動きがとれず、膝から下はがくがくと震えている。 恐怖は全身に満ち、首を動かしてお互いを見つめ合うことすらできなかった。 サイモンは崖っぷちにひざまづかされ、脳天に銃口を突きつけられている。 「ここで何かバカなことをしたら… 俺が君を殺す」 ダックはベンにささやいた。 しかし震えがもはや歯にまで達しているベンは微動だにすることなどできなかった。 ダックの心配は無用だった。 あっという間にあとの2台からそれぞれ拳銃をもった毛むくじゃらの男たちが降りてきた。 「車を降りろ」 「さっさと降りるんだ」 ダックもベンも小さく顔の辺りで手を挙げた。 反抗する隙などない。 「ぼくたちは観光客だ」 「殺される!」 ベンは必死だった。 「さあ出るんだ」 車から引きずりおろされた二人はやはりサイモンと同じように拳銃で小突かれながら崖っぷちへ誘われる。 「落ち着け」 「誤解だよ」 ベンは最後までなんとか論理で勝負しようとする。 が、彼らは聴く耳などもたない。 「ぐずぐずせずにひざまづくんだ」 「早く!」 ダックも泣き出さんばかりに訴える。 「何かの間違いだ」 心の中では「サイモンについてきたばっかりに… 」という遅すぎる後悔もよぎる。 「さあ、ひざまづけ」 サイモン、ダック、ベンの3人は隣どうしにひざまづいて並び、それぞれの頭に一人ずつの男たちが銃口を突きつけている。 理由は簡単だ。 山に入ったから。 山に入った人間は残らず始末しろという命令が出ているのだろう。 ひょっとしたら、あの男から。 3人はただネズミ捕りにひっかかったねずみのようなものなのだ。 「俺たちはジャーナリストだ。やめてくれ」 サイモンは腹の底から声を振り絞った。 こつんと硬い銃口を脳天に感じながら、震える顔でダックを見る。 ダックもぶるぶる震えながらサイモンを見つめ返す。 しかしそのダックの目には、サイモンを責める色はなかった。 サイモンは胸の中でダックに詫び、感謝した。 二人の様子を分かる余裕すらなく、ベンは震えながら汗をかいていた。 こつんと当たる銃口から、いつ弾がぶっ放されるかと気が遠くなりそうだった。 頭から出ている汗が、顎にたらたらとつたってきた。 ※ 人気ブログランキング に参加しています。現在、小説部門13位↓です。 ボスニア紛争についてもっと知りたい!と思われたら、ぜひ、クリックお願いします。 ※映画『ハンティング・パーティ』は、5月10日(土)よりシャンテシネ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショーです。 ※ブログ小説目次 第1話 サイモンとダック 第2話 ぶち切れたサイモン・ハント 第3話 ボスニア・ヘルツェゴビナへようこそ 第4話 ベン、ホリデー・インのバーにデビューする 第5話 落ちぶれた相棒 第6話 3人は揃った 第7話 「聞こう。ネタって?」 第8話 ムスリムのカフェで 第9話 盗み聞き 第10話 “生と共に死を授かった男” 第11話 出発 第12話 チェレビチの森で 第13話 セルビアの村はずれのカフェ 第14話 撃たれた3人の車 第15話 フォチャへ 第16話 警察のティータイム 第17話 チェレビチからの命令 第18話 国連の男・ボリスとの出会い 第19話 プロの出番 第20話 フォックスは守られていた 第21話 バーの外の暗闇で 第22話 危険へと続く道 第23話 マルダとウーナ 第24話 サイモンの恋 第25話 サイモンの恋A 第26話 最悪の別れ 第27話 チェレビチの見張り人 第28話 バーを探す 第29話 招かれざる客 第30話 命がけの問い 第31話 オレンジの車を追え 第33話 クロアチアの小人 |
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|---|---|
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????Producer 2008/04/01 21:58 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
うわお。どうなっちゃうの!? |
JUNKO 2008/04/01 22:15 |
JUNKOさん。 |
おとなあやや 2008/04/03 13:54 |
JUNKOさん |
せたP URL 2008/04/09 23:54 |
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