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サイモンは黙って運転席に乗り込んだ。 後部座席にはギターを抱えたダックが、助手席には地図をもったベンが座っていた。 サイモンは何も言わずにキーを差し込んだ。 黄色いベンツはボロボロになりながらもタフに山道を目指す。 チェレビチへのドライブが始まった。 山の中は標識などなく、等高線が描かれた地図だけが頼りだ。 「こっちでいいはずだが」 「そのようですね」 ベンが横から助け舟を出す。 さすがにハーバード卒の彼は、地図を見るのは上手だった。 が、サイモンは「うるせえ」と、3度に1度しか聞かなかった。 「ちょっと用を足してきます」 ベンは車を出て、車道を山側に少し降りていった。 戻ってくると、ダックが本気で心配して言った。 「地雷があるぞ」 「脅かさないでください」 もうびびりもしないベンだった。 今までで一番地雷がありそうなのはここだったのだが。 「たぶんこっちだ」 「待って。止まって。バックしてください」 「… かもしれないな」 結局、ベンの言うほうに車を走らせる。 彼が助手席に乗っている意味がようやく正しくなってきた。 やがてチェレビチの山にさしかかった。 何にもない車道に、突然、全身真っ黒の服装の男が、ぽつんと立っている。 「あいつは?… 見張りですかね」 「やっぱりここにいるんだ」 サイモンはうなずくと、バックミラーで男の姿を追った。 男のサングラスの目線はこちらに注がれているようだ。 「山に入る車を見張ってる」 ダックが興奮して体ごと振り向く。 サイモンは高ぶる気持ちを抑えるように言った。 「危険なドライブになるぞ」。 ※ 人気ブログランキング に参加しています。現在、小説部門14位↓です。 ドライブの続きが気になる!と思われたら、ぜひ、クリックお願いします。 ※映画『ハンティング・パーティ』は、5月10日(土)よりシャンテシネ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショーです。 ※ブログ小説目次 第1話 サイモンとダック 第2話 ぶち切れたサイモン・ハント 第3話 ボスニア・ヘルツェゴビナへようこそ 第4話 ベン、ホリデー・インのバーにデビューする 第5話 落ちぶれた相棒 第6話 3人は揃った 第7話 「聞こう。ネタって?」 第8話 ムスリムのカフェで 第9話 盗み聞き 第10話 “生と共に死を授かった男” 第11話 出発 第12話 チェレビチの森で 第13話 セルビアの村はずれのカフェ 第14話 撃たれた3人の車 第15話 フォチャへ 第16話 警察のティータイム 第17話 チェレビチからの命令 第18話 国連の男・ボリスとの出会い 第19話 プロの出番 第20話 フォックスは守られていた 第21話 バーの外の暗闇で 第22話 危険へと続く道 第23話 マルダとウーナ 第24話 サイモンの恋 第25話 サイモンの恋A 第26話 最悪の別れ |
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なんかヤバそうですね。 |
九慈八幡七之介六郷五彩 2008/03/29 11:10 |
いよいよ山場ですね |
ash. 2008/03/29 14:47 |
いつもコメントありがとうございます。 |
おとな 2008/03/29 23:45 |
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