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国連のブルーのベレー帽を脱いだボリスが3人を誘ったのは、農村の民家のようなバーだった。 緑に塗られた壁、チェックのテーブルクロス。 客はボリスとサイモンたちの他に一組の老人たちだけだ。 軍のジャンパーを羽織ったボリスは国連の男だと誰の目からも一目でわかる。 そのためか、客から離れた場所に席を取り、4人は声を潜めなければならなかった。 ボリスは3人に語り始めた。 「国連兵ならヤバイがあんたらなら大丈夫かもしれない。チェレビチに潜り込め」 ベンはほとほと疲れた顔で言い返した。 「まだ我々をCIAの暗殺隊だと思ってるんですか」 「まだ本気でジャーナリストだと言い張るのかい」 ボリスは3人をCIAだとますます信じ込んでいた。 一人はもともとキレ者そうなジャーナリストふう。 一人は黒人で腕っぷしが強そう。 そしてもう一人はいかにもインテリな頭脳派。 みな、一様に何とはわからないカジュアルな、しかもあやしまれにくい服装。 確かに3人はCIAの秘密部隊と思われてもおかしくない風情だった。 実際、ボリスは過去にCIAを見たことはなかった。 ただずっと待ち望んでいたCIAの幻想に彼らがぴたりとはまったのだ。 おおいなる確信のもとに、ボリスの話は続いた。 「いいか? 俺にも多少、脳はある。 誰かが来るだろうと思ってたんだ。 プロの出番ってものがあるんだろうな、ってさ。 俺は最近、やっと… 」 彼は一斉にこちらを眺めている老人客たちを目で制し、もっと小声になった。 「最近やっと、フォックスの周りの連中に信用されたんだ。 あんたらもチェレビチの情報をつかんでたとは。 さすがだね」 「新聞に出てたからね」 ダックがわざと茶化すと、ボリスは表情を硬くした。 「いや、星占いでもわかることさ」 「話の意味がよくわからん」 サイモンが率直に言うと、ボリスはいっそう話の核心へと迫っていった。 「それが国連の特徴だ」。 ※ 人気ブログランキング に参加しています。現在、小説部門13位↓です。 ボスニア紛争についてもっと知りたい!と思われたら、ぜひ、クリックお願いします。 ※映画『ハンティング・パーティ』は、5月10日(土)よりシャンテシネ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショーです。 ※ブログ小説目次 第1話 サイモンとダック 第2話 ぶち切れたサイモン・ハント 第3話 ボスニア・ヘルツェゴビナへようこそ 第4話 ベン、ホリデー・インのバーにデビューする 第5話 落ちぶれた相棒 第6話 3人は揃った 第7話 「聞こう。ネタって?」 第8話 ムスリムのカフェで 第9話 盗み聞き 第10話 “生と共に死を授かった男” 第11話 出発 第12話 チェレビチの森で 第13話 セルビアの村はずれのカフェ 第14話 撃たれた3人の車 第15話 フォチャへ 第16話 警察のティータイム 第17話 チェレビチからの命令 第18話 国連の男・ボリスとの出会い 第20話 フォックスは守られていた 第21話 バーの外の暗闇で 第22話 危険へと続く道 第23話 マルダとウーナ 第24話 サイモンの恋 第25話 サイモンの恋A 第26話 最悪の別れ 第27話 チェレビチの見張り人 第28話 バーを探す 第29話 招かれざる客 第30話 命がけの問い 第31話 オレンジの車を追え 第32話 「ひざまずけ!」 第33話 クロアチアの小人 |
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新たに登場する登場人物一人一人の |
roro 2008/03/25 19:11 |
roroさん |
せたP URL 2008/03/25 22:18 |
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